辞める前に見て欲しい。亡くなった方の見送りで辛くなった看護師へ。
毎日のように亡くなる人がいるのがつらい。
心が限界で看護師をやめたい。
そんな感情になる方が看護師にはいらっしゃいます。
確かに人が亡くなるのを見るのはとても辛い体験です。
その方とは一生のお別れになるのですから。
でも本当に看護師をやめてもいいのでしょうか?
今回は
- 辛い体験をして看護師を続ける自信がなくなってしまった
- 死に慣れないのは看護師にむいてない
と思っているあなたへ、聞いて欲しい内容となっています。
無理に続けろとは言いません。
しかし今回の記事を読んでいただいて、少しでも気持ちが前向きになればと思います。
人が亡くなるということ
人が亡くなるということは、その方との永遠の別れとなります。
- 声が聞けない
- 触れることが出来ない
- 一緒に歩けない
いつも身近にあった存在が急になくなってしまうのです。
亡くなる人の立ち位置によって周りの不安や喪失感の程度も変わってきます。
長く一緒に居た方であれば、その喪失感は計り知れません。
若くして親を亡くした方はこれからどうすればいいのかと不安に駆られます。
亡くなっていい方は一人もいません。
しかし命はいつか必ず尽きるものなのです。
これはどうあがいても変わらない事実なのです。
亡くなるのは辛いこと?
避けられない辛い体験が「死」というものですが、本当に辛いことなのでしょうか?
「亡くなる」=「辛い」というのは、残された私達の感情です。
私もこれまでに何人も看取りや急死など体験してきました。
たしかに辛かったですし、気持ちの整理に時間がかかることもありました。
では亡くなる本人はどうなのでしょう。
病死の場合、亡くなるまで苦しかったり痛かったりと辛い体験を強いられます。
亡くなるまでの苦しさを軽くするのが緩和ケアで、看護介護職の役割であったりします。
老衰で看取りの方は、亡くなる準備をすると聞きます。
ご飯を食べなくなるのはもうエネルギーが必要ではないから。
昏睡になるのは今までの長い人生で楽しかった思い出を振り返るため。
チアノーゼが出て手足が冷たくなるのは、呼吸や心臓、脳の血液を優先するため。
亡くなる寸前に尿量が減って排便が続くのは、身体の中を綺麗にして旅立つため。
ご自身で身体を準備していくのです。
医科学的にいえば、エンドルフィンという分泌物が大量に出てきて非常に心地よい状態になっているそうです。
私は宗教家ではないので、神様仏様の次元はわかりません。
しかし亡くなる寸前、本人はあまり辛くないということです。
ケアする立場の私達が悲観し、辛い顔をしているほうがよほど辛いのではないかと考えるようになりました。
もっと踏み入った事が知りたいのであれば、この本がオススメです。
私はこの本で死への考え方やとらえ方が変わったことを今でも覚えています。
著者の玉置妙憂さんも、もともとは看護師だったそうです。
そのため看護師の目線でも書かれていることがあり、とても共感できる一冊でした。
ステルベンを経験して思うこと
亡くなった方を最後に見送る為に身体を綺麗にしたり、着替えをする処置のことです。
エンゼルケアや死後処置と言ったりもします。
ステルベンは看護師として最後にできる唯一の処置です。
その処置をできるのは出勤日で、部屋に入るのは2,3人。
出勤日に旅立たれてステルベンをする2,3人でなければできません。
とても貴重な経験でした。
私個人の感想ですが、ステルベンに入ると気持ちの整理にかかる時間が違ってきます。
ステルベンをしている最中にいろんな事を思い出したり、考えたりします。
御家族と一緒に処置をすることもあります。
その時に、御家族からいろんな話しを聞くこともありました。
新人さんや慣れていない方は一緒に入るとき、怖がる方もいます。
「死」というものが日常的でなくなった時代なので無理もないです。
しかし、このステルベンができるのは看護介護職しかありません。
怖いかもしれませんが、もっと積極的に入りたいと思ってほしいなと感じます。
経験は必ず次の人の役に立つ
亡くなったことを人生のゴールだと例えることがあります。
ゴールするまで一緒に伴走し、ゴールした後にはステルベンをする。
ステルベンの後に一人反省会をする方もいます。
もっと髪の毛を綺麗にしてあげればよかった。
家族ともっと面会できればよかった。
食べたいものを食べてもらいたかった。
そう思う気持ちは忘れてはいけません。
どれだけ良いケアをしても、どれだけ本人のわがままを聞いても、~たかった。は消えません。
毎回、それを繰り返すことによって次の方へ次の方へとケアの質が向上していきます。
もっと終末期や緩和ケアについて勉強したい方はこちらの資格がオススメです。
最近では自宅での看取りも増えてますので、訪問看護やホームヘルパーでも看取りをする方のおうちに入ることがあります。
【終末期ケア専門士】
終末期ケア専門士公式テキスト【緩和ケア入門】
緩和ケア はじめの一歩 [ 林ゑり子 ]自分自身のケアも忘れずに
そして最後にここがもっとも重要です。
自分のケアを忘れてはいけません。
いくら知識を持っていても、素晴らしいケアができても、自分の心がもたないと本末転倒です。
そして、これからあなたのケアを望んでいる人にケアが出来なくなってしまいます。
本当に辛い、考え方が変えられない。
看護介護職はステルベンをすることがない職場もたくさんあります。
そんな方は看取りや終末期の現場から離れることも一つの選択だと思います。
- 整形外科
- 耳鼻咽喉科
- 眼科
- 皮膚科
- 美容外科 などのクリニック
辞める前に見てほしい。亡くなった人の見送りで辛くなった看護師へ。:まとめ
人が亡くなると言うことは、寂しく辛い体験です。
そこに立ち会い、ケアをしていかなくてはいけない役割の看護介護職は他の職種の方達よりも辛い体験をする機会が多くなってきます。
しかし、その体験は辛さだけでなく貴重な経験となって次にケアする人につながっていきます。
次に次につながっていくことによって、良い最後を迎えられる人が増えると少し前向きになれませんか?
終末期や緩和ケアの知識をつけることで、自分なりの関わり方が見えてきます。
緩和ケア はじめの一歩 [ 林ゑり子 ] 終末期ケア専門士公式テキストいろいろな書物を読んで考え方に触れれば、違う考え方ができるようになります。
それでもどうしても難しいようであれば、無理をすることはありません。
他に自分ができることを探せばいいんです。
看護専門のお仕事紹介【キララサポート看護】

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