終末期に見られる症状は?ゴールを迎える時の変化を紹介

ケア中に息が止まったらどうしよう。

死を間近で見るのが怖い。

看取りとして静かにゴールを迎えるお手伝いをするのも職務の1つです。

しかし、死が日常ではない現代では経験が浅い職員は恐怖を感じることもあるでしょう。

本人が自宅を希望しているのに、搬送したり入居を勧めると本人の意思にはそぐわない形になりますよね?

そんなときに家族から相談をされる機会が多いのは看護師や介護職のみなさんでしょう。

そこで正確な情報を提供できるかどうかで、本人の意思が尊重されるかどうかが決まってきます。

今回は自宅で看取るときに心配にならないために、あらかじめ体に起こる変化を解説していきます!

家族が心配事についてきちんと説明でき、安心してもらえるようになります

家族が安心できれば患者さんや利用者さんは望む最後を迎えることができるので、最後まで読んでみてください。

看取りの実際

高齢者の人数がこれからますます増えてくるなかで、自宅で最後を迎えたいと思う方も増えてきます。

現在でも、半数以上の方が厚生労働省の調査で、自宅で最後を迎えたいと希望しているのが現状です。

しかし自宅で最後を迎えたいと思っていても、いざ最後のときを迎えると

  • 苦しそう
  • つらそうな顔をしている
  • どんどん痩せてきて心配

など、心配になって病院に搬送したり施設へ預けたりすることがほとんどです。

看取りに対してきちんと家族に説明できれば、安心して自宅で看取ることができるのではないでしょうか?

「最後のゴールに向かって体が準備をしている」

ときちんと説明できる援助者を目指しましょう。

疾患によって違う経過

終末期に入って、どの疾患でも徐々にゴールに向かって行くわけではありません。

疾患などによってゴールに向かう道筋は変わってきます。

ここでは疾患の違いによって経過が違うことをお話しします。

がん

がん(悪性腫瘍)はどこにあるのか、どのぐらいの大きさなのかなどによって変わってきます。

たとえば脳にがんが出来た状態(脳腫瘍)では、その位置によって障害の出方も変わってきますよね。

比較的に機能は維持されやすいと言われていますが、最後の2ヶ月で急に機能低下します。

がくっと悪くなって家族の気持ちが追いつかないまま、ゴールを迎えることもあります。

心疾患、肺疾患末期

心臓や肺疾患での終末期は、徐々に下がっていく中で急に悪くなってまた回復していくことを繰り返しながらゴールに向かっていきます。

良くなるといっても、以前の状態までは回復しません。

悪くなる、良くなるを繰り返して徐々に下がっていって、最後には比較的急に下降してゴールします。

「よくがんばったね」と声をかけたくなるような辛い状態と良い状態を繰り返すのが特徴です。

認知症や老衰

認知症を患っていると、発症から20年ほどで人生のゴールを迎えると言われています。

もちろんもっと短い人や長い人などさまざまなので一概には言えませんが、ゆっくりと進行していくのは間違いありません

これは老衰の場合も一緒で、長い時間をかけてゴールする準備を整えながら向かって行きます

心疾患や肺疾患との違いは気づかないうちに機能が低下しているところです。

「あれ?最近ご飯の量が減ってきたね。」

「なんか寝る時間が長くなった気がする。」

とそういえば?というふうに気づくことが多いです。

終末期はどんなことが変わる?

それではゴール目前に起こる変化について見ていきましょう。

順番や起こる出来事は個人差がありますので、必ず順番通りや変化が見られるというわけではありません。

多くの方に起こることなのでそこだけはご承知ください。

亡くなる数週間前

老衰の場合には眠っている時間が長くなっていきます。

そのぶん事や水分をとる機会が少なくなっていき、量が減っていきます。

食事量が少なくなったり寝て過ごすことが増えると、もちろん筋肉も落ちてくるのは必然的です。

考え方次第では、

体力温存のために眠る時間が増える

⇒筋肉は必要がない

⇒筋力保持が必要ないから食べない

⇒体内にものを入れず、綺麗に旅立つ準備

と言われる方もいます。

考え方は人それぞれなので、死を受け入れる1つの考え方として参考にしてみてくださいね。

亡くなる数日から数時間前

人生のゴール目前に起こる変化を詳しく見ていきましょう。

今回は2013年の調査で死が迫っていることを示す兆候を7つのカテゴリに分類した「OPCARE9プロジェクトによる国際同意」を見ていきたいと思います。

OPCARE9プロジェクトによる国際同意

  • 呼吸の変化
  • 意識・認知機能の変化
  • 経口摂取の変化
  • 情動的な状態の変化
  • 全身状態の変化
  • 医療・介護従事者の直感

①呼吸の変化

呼吸の変化には

  • チェーン・ストークス呼吸
  • 死前喘鳴
  • 下顎呼吸

というものがあります。

チェーン・ストークス呼吸は浅い呼吸から深い呼吸になり浅い呼吸になるという呼吸リズムになります。

チェーン・ストークス呼吸は多くの方に見られる呼吸のため、1つの指標になります。

死前喘鳴は半数前後の方にみられ、息を吸うときと吐くときにのどで痰がゴロゴロいうような音がします。

家族など見ている側はおぼれているように感じます。

吸引で痰を取ることも可能ですが、それは一次的でまたゴロゴロいうようになります。

無理に吸引を繰り返すと刺激になり、痰がまた出てきて吸引するという繰り返しになってしまい、余計苦痛に感じますよね。

口の中に見えるものだけを吸引したり、口腔ケアで取り除けるものだけを吸引するなど看護師と相談しておきましょう。

②意識・認知機能の変化

人生のゴールが見えると、

  • 低酸素血症
  • 腎不全などの臓器不全
  • 電解質の異常

により意識レベルが低下して昏睡状態になります。

本人の混乱や空中に手を伸ばす動作も意識レベルの低下が原因だと言われいます。

家族は混乱している本人をみて不安に感じることがあります。

その時には自然な流れであることを説明しましょう。

またこの時期になると脳内にエンドルフィンという快楽ホルモンが分泌されています。

意識がもうろうとしていて辛そうに感じるかもしれませんが、本人は苦痛に感じていない場合が多いです。

③経口摂取の変化

口から食事はもとよりとろみをつけた水分でもむせることが多くなります。

のどに痰もたまって飲み込むことが尚難しくなってくるのです。

そのため内服薬も飲めなくなります。

ここで無理をして水分を取らせようとすると肺炎を起こしてしまい、与えなくていい苦痛を与えてしまうため注意が必要です。

眠る時間が長くなったりむせ込むことが多くなってきたら必ず看護師などに相談しましょう。

④皮膚の変化

手足の色が紫色になり、血色が悪くなります。

この減少を「チアノーゼ」といい、主に血液の中の酸素が少ない状態です。

心臓や脳に血液を回すためこのような現象が起きてしまうため、冷たくなるので温めてあげましょう

チアノーゼは治らないかもしれませんが、末端を温めてあげると気持ちよくなります

血色が悪くなっても怖がらないでくださいね。

これも自然な現象ですよ。

⑤情動的な状態の変化

不安や恐怖、焦る気持ちなどが混ざってじっとしていられない状態です。

あっちこっちと寝返りをうったり、座ったり寝たりと何をしてもすっきりしないと言います。

身の置きどころがない」と表現されることが多く、身体の辛さなども原因です。

このようなときには、一日の中で辛かったり辛くない時間が変わるのか、なぜ辛いのか原因を見つけてましょう

しかし、辛いときに事情聴取のような質問攻めはよくありません。

またケアが難しくはっきりしないことから、自然と足を運ぶ機会が少なくなります

原因がわからなくても、こまめに状態を確認することによって安心感もありますし、原因がわかるかもしれません。

いつも通り、疲労がたまらない程度に関わりを持ちましょう。

⑥全身状態の悪化

ADLはもちろん、認知機能や内蔵機能は悪化していきます。

目をとじて眠っているように過ごす方や、私の祖父は何か考えているように天井を見つめて過ごしていまいした。

臓器不全になると、たまに「死臭」という独特な匂いが出てくることがあります。

鼻の良い介護職員や看護師はこの匂いで「そろそろかな」と気持ちを固める方も居ます。

全員に出てくることではないですが、いつも近くでケアをするからこそわかる違いですね。

⑦医療・介護従事者の直感

前項の死臭の話しのように、些細な違いに気がつく職員もいます。

脂肪の減少により顔の人相が変わって鼻が尖って見える「るい痩(そう)」というものが出てくることがあります。

いつも見ていないと表情の変化はわからないですよね。

経験を積んだ職員はたくさんの見送りをしています。

経験則でしかわからない症状もありますので、根拠はなくとも信じてみる価値はあります

終末期に見られる症状は?ゴールを迎える時の変化を紹介:まとめ

厚生労働省に調査によると、自宅で最後を迎えたい人は6割を超えています。

しかし、現実には施設や病院で最後をむかえる方がほとんどです。

人生のゴールに向けて身体の準備を整えていく過程で心配になり病院へ搬送したり、施設に預けたりということになります。

「最後のゴールに向かって体が準備をしている」

きちんと説明できる援助者を目指したいですね。

疾患によってゴールへの向かい方が異なってきます。

がんの患者さんでは進行と共に症状が悪化していきます。

徐々に下がっていき、最後にがくっと悪くなってゴールテープを切ります。

心臓・肺疾患の患者さんでは、機能が下がっている過程で急性憎悪(急激に悪化して少し良くなること)を繰り返して最後を迎えます。

認知症や老衰では徐々に下がっていき、長い期間をかけてゴールテープを切ります。

年単位の方も居れば、一ヶ月のうちにすーっと落ちていくこともあります。

2013年にあった調査で明らかになった「OPCARE9プロジェクトによる国際同意」というもので

  • 呼吸の変化
  • 意識・認知機能の変化
  • 経口摂取の変化
  • 情動的な状態の変化
  • 全身状態の変化
  • 医療・介護従事者の直感

があります。

チェーンストーク呼吸など呼吸リズムの変化や認知症の様な症状が出る、食事や水分がとれなくなる、身の置き所がなくなり、全身状態の悪化していきます。

すべては身体が最後を迎える準備をしているという考え方もあります。

もちろん1つの考え方で正解ではありません

でも身体の準備を邪魔せずに、伴奏者としてお手伝いをしていきたいですね。

きちんとした知識をつけるには、終末期ケア専門士がオススメです。

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また今の職場では終末期のケアが少なく、

  • もっと終末期に関わりたい!
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