脱水で命の危機に!在宅で熱中症になる危険サインと対処方法を紹介!
これから暑い時期がやってきます。
気温は高くないのにジメジメしていて暑く感じますよね。
熱中症や脱水で病院へ搬送される方が梅雨時期から増えるのはご存じですか?
今回は自宅に居て気温が高くないのに、脱水になって熱中症になる方について解説していきます。
最後まで一読していただければ、脱水や熱中症の予防方法がわかって安全に過ごすことができます。
また熱中症の症状が見られた時の正しい対処の仕方がわかり、最悪の事態をさけることもできますので、最後までお付き合いください。
また熱中症の症状が見られた時の正しい対処の仕方がわかり、最悪の事態をさけることもできますので、最後までお付き合いください。
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熱中症とは?
高温多湿な環境に長くいることで、徐々に体内の水分や塩分 のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します
(引用;厚生労働省「熱中症予防のために」リーフレット)
ヒートアイランド現象やオゾン層の破壊による温暖化で年々、最高気温は上昇しています。
特に日本には四季があり、寒い時期と暑い時期を繰り返します。
体がついていけにずに気づかないうちに熱中症になっていたということも少なくはありません。
特に独居でくらす高齢者の方は注意が必要です。
脱水とは?
体液が失われ、身体にとって不可欠な水分と電解質が不足している状態
(引用;公益財団法人長寿科学振興財団HP「健康長寿ネット」
脱水には3種類あります。
- 高張性脱水
- 等張性脱水
- 低張性脱水
体の中には水分の電解質がバランスを取って、体調を保っています。
この水と電解質のバランスが崩れることによって脱水症状が出てきます。
難しいのでわかりやすく解説していきます。
①高張性脱水
体の中の水分が多く無くなっている状態です。
水分がなくなると、電解質のほうが多くなって体液が濃くなります。
粉のインスタントコーヒーを入れるときに、お湯(水分)が少ないと濃くなりますよね。
そのような現象が体内で起きています。
(体液の味は変わりません。)
②等張性脱水
これは電解質と水分が一緒に出て行ってしまい、両方が少なるなっている状態です。
嘔吐や下痢などで外に出てしまうときに多く見られます。
下痢の時にはしっかり水分を取るように言われるのはこのためなんですね。
③低張性脱水
これは体の中の電解質が少なるなる状態です。
水分を取れば大丈夫!と水やお茶など電解質があまり含まれていないものを多く飲んだ時に起こります。
水分を取るときにはナトリウム(Na)やカリウム(K)、クロール(Cl)に注意して摂取しましょう。
食事が取れて、水分を取っていない場合には水やお茶で大丈夫ですが、運動した後や食事が取れていない場合にはスポーツドリンクなどがオススメです。
熱中症は脱水になった結果、体温調整ができずに熱がこもってしまうことで起こります。
しかし脱水の予防だけでは熱中症は防ぐことができません。
勘違いしている方も多いので、少し詳しく説明していきますのでもう少しお付き合いください。
なんで高齢者は脱水になりやすいのか
結論からいうと
- もともとの水分量が少なくなっている
- 水分を補給しても吸収して蓄えることがむずかしい
が原因です。
成人が体に蓄えている水分は、体重の約60%と言われています。
60kgの方だと36Lもの水分を体に蓄えていることになります。
高齢者になると、水分量が約50%にまでなってきます。
同じ60kgの方でも約30Lとなり、6Lもの差になります。
1日に推奨されている水分摂取は成人で2.0~2.5L程といわれています。
高齢者が成人と同じ水分量を保とうとすることは不可能ということです。
そして高齢者は筋肉や臓器なども萎縮していきます。
萎縮するということは水分を蓄えるスペースも少なくなってきて、補給しても備蓄できないのです。
- もともとの水分量が少なくなっている
- 水分を補給しても吸収して蓄えることがむずかしい
この2点が高齢者が脱水になりやすい理由となります。
特に終末期の方は注意が必要です。
食事がとれなかったり、水分が取れなかったりと脱水になる可能性がさらに高まってきます。
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脱水・熱中症を予防するためには
- 高温多湿
- 水分・塩分のバランスが崩れる
- 体温調節機能が働かなくなる
- 体に熱がこもる
- 熱中症になる
という過程で体に異変がおこるので
脱水は①、②を予防
熱中症は①~④を予防
ここを十分に予防できれば脱水・熱中症にならないというわけです。
①高温多湿
日本には梅雨という時期があります。
高気圧が広がってくることにより気温が徐々に上がってきます。
気温の上昇とともに、雨が多く降るため湿度も上がってしまいます。
高温多湿の環境ができあがりですね。
湿度が高くなると汗をかきにくくなってきます。
そのため体の熱が発散されずにこもりやすくなってしまいます。
- クーラーや除湿機を使用して、室内の湿度をさげましょう。
- のどが渇く前に水分補給をしましょう。
- (寝る前や起きた後、運動・入浴など汗をかく前、飲酒の前後)
- 外に出るときには暑さを防げる服装をし、冷感グッズをしようしましょう。
- 規則正しく、栄養バランスを考えた食事を心がけて体調管理をしましょう。
②水分・塩分バランスが崩れる
高張性脱水や等張性脱水、低張性脱水とありました。
しかし目で見るだけで一般の方が判断するのは難しいです。
- 水分補給にはなるべく、スポーツドリンクや電解質が入っているものを選びましょう。
- あらかじめ多量に汗をかいていないか、嘔吐や下痢はしていないかなどの確認しましょう。
- 食事がしっかり摂り、十分な休息を確保しましょう。
③体温調節機能が働かなくなる ④熱が体にこもる
電解質と水分のバランスが崩れると、脳にも軽微な障害が出てきます。
さまざまな障害が起きますが、体温の調節機能もその一つです。
人間は汗をかいたり、筋肉を緊張させる(震える)ことで体温を上げたり下げたりします。
体温の調節機能が働かなくなると汗が出なくなってしまい、体内の熱が外に出ない状態になります。
熱がこもることによってさらに脱水が進み、悪循環になって命の危機に陥ります。
そうなると、身体の外側と内側から冷やす必要があります。
活動するときにはこまめに休息をとって、物陰に入ったり汗を拭き取る
冷たすぎるものは摂取しない※
熱がこもらない衣類を選ぶ
※冷たいものをとると、胃腸の循環が悪くなって上手に体に水分を吸収することができません。
⑤熱中症になる
こうなると予防もなにもありません。
体に異変があるときには救急車を呼ぶことをオススメします。
意識障害があるときには無理に水分を取るのではなく、とにかく体を冷やして下さい。
脱水・熱中症の危険サインと対処の仕方
脱水や熱中症になると命にかかわってきます。
軽症:普段より汗をかく、のどが渇く、めまい、吐き気、食欲減退、尿量減少など
中等度以上:動きが鈍い、皮膚の紅潮化、手足のふるえ、頭痛、体温の上昇、言語不明瞭など
重症:筋けいれん、失神、舌の膨張・痺れ、尿量減少、目がくぼむ、聴力損失など
脱水は予防できることなので、前項でも紹介したとおり水分補給はこまめにしましょう。
軽症の症状が出たらすぐにミネラルが入っているものを飲みましょう。
※ミネラルウォーターは「ミネラル」と書いてありますが、電解質の補給にはなりません。
スポーツドリンクや経口補水液で補充しましょう。
それでも改善しなければ、医療機関の受診をしてください。
重症の場合には救急要請が必要になってきます。
熱中症は次のような分類がされています。


熱中症の場合も脱水と一緒で、Ⅱ度以上になると医療機関への受診が必要になります。
Ⅱ度以上の症状を放置しておくと、みるみるうちにⅢ度へ悪化します。
脱水で命の危機に!在宅で熱中症になる危険サインを紹介!;まとめ
熱中症は高温多湿な環境に長くいることで、徐々に体内の水分や塩分 のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態をさします。
熱中症は脱水症状を引き起こし、命を落としかねません。
脱水には3つの種類があり、
- 高張性脱水・・・水分が不足⇒体内の水分が濃い状態
- 等張性脱水・・・両方が不足
- 低張性脱水・・・電解質が不足⇒体内の水分が薄い状態
と分類されていて、医療従事者でも目視ではわかりづらくなっています。
どの脱水にしろ、悪化する危険性は大いにあります。
予防方法としては、こまめな水分補給を心がけることです。
特に高齢の方は成人の方よりも水分量が少なく、体重の50%ほどになっています。
水分量が足らないということは脱水になりやすいってことです。
熱中症の場合にはⅠ度からⅢ度まであり、Ⅱ度以上はおとなしく病院へ運ばれて下さい。
①高温多湿
- クーラーや除湿機を使用して、室内の湿度をさげましょう。
- のどが渇く前に水分補給をしましょう。
- (寝る前や起きた後、運動・入浴など汗をかく前、飲酒の前後)
- 外に出るときには暑さを防げる服装をし、冷感グッズをしようしましょう。
- 規則正しく、栄養バランスを考えた食事を心がけて体調管理をしましょう。
②水分・塩分バランスが崩れる
- 水分補給にはなるべく、スポーツドリンクや電解質が入っているものを選びましょう。
- あらかじめ多量に汗をかいていないか、嘔吐や下痢はしていないかなどの確認しましょう。
- 食事がしっかり摂り、十分な休息を確保しましょう。
③体温調節機能が働かなくなる ④熱が体にこもる
活動するときにはこまめに休息をとって、物陰に入ったり汗を拭き取る
冷たすぎるものは摂取しない※
熱がこもらない衣類を選ぶ
⑤熱中症になる
こうなると予防もなにもありません。
体に異変があるときには救急車を呼ぶことをオススメします。
意識障害があるときには無理に水分を取るのではなく、とにかく体を冷やして下さい。
休んでいたら大丈夫というのは、誰も信じてはいけません。
命にかかわることなので、必ず予防が必要です。
今回は脱水と熱中症についてお話ししました。
在宅で過ごす高齢者の方は、だれも気をつけてくれません。
目が届きにくく、知らないうちに意識がなくなっていたということもあり得ます。
訪問看護師が到着して、異変を感じたらすぐに適切な対処をしましょう。
命に関わるというのは重々わかって頂けたと思います。
適切な水分補給を行って脱水を予防するところから、熱中症予防はつながっています。
自宅で一人で倒れてたという悲惨なこともあります。
十分に注意してケアしていきましょう。