【緩和ケアに興味がある人必見!】がんになっても前向きになれる本を紹介!
近年、若くしてがんを発生する方が多くなってきています。
がんが原因で学校や職場からなくなく離れてしまい、孤立してしまう方も少なくありません。
今回は若くして乳がんを発症し、辛い経験をしながらも前向きに自分の夢に向かって歩んだ方の本を紹介させていただきます!
がんだけではなく、
「なかなか上手くいかないな」
とか
「辛い今の状況を変えたいな」
と思う方にも読んでほしい一冊になっています。
本の詳しい内容までは伏せますが、この記事を読んで一人でも前向きになれる方がいると良いなと思っています。
それでは紹介していきましょう。
本の概要
今回紹介するのは
「もしすべてのことに意味があるなら がんがわたしに教えてくれたこと [ 鈴木 美穂 ]」

鈴木美穂さんという方が書かれていますが、自身の乳がん発症から現在に至るまでの苦悩や活動を綴られています。
元日本テレビ記者・キャスターで「情報ライブミヤネ屋」や「スッキリ」などで活躍されていました。
現在は認定NPO法人マギーズ東京共同代表理事をされており、精力的に活躍されています。
2008年(当時25歳)のときに乳がんが発覚しています。
25歳という若さでのがんのため、本人も「まさか自分が」と受け入れられず、絶望感をあらわにしています。
その後、数々の専門医を求めて全国を飛び回り、信頼できる主治医を見つけ、抗がん剤、手術、放射線治療などの標準治療のフルコース。
「自分の人生は自分で選択することが大切」
と著者も話しています。
現在の医療は、患者側が選択できると表面上はなっていますが、根本的なところでは違います。
患者のほとんどは医学的知見を持っていないことが多く、インフォームドコンセント(説明と同意)がされても、
「先生におまかせします」
と医者任せになっていまっています。
著者は始めに説明された内容では納得がいかずにネットや名医を訪ねて、自分のがんについて知っていきます。
そして自分にあった治療が何なのかを信頼できる主治医と決めたことが、後々の体の変化(乳房切除など)を受け入れる糧になっているのです。
いつ終わるのか、本当に効果があるのかもわからない抗がん剤治療がとても辛く表現されています。
看護師として抗がん剤治療を受ける方に何人か関わってきましたが、ここまでの辛い経験は想像はできませんでした。
いろんな治療を終えて職場に復帰しますが、その後は自分がやりたい仕事も思うようにできなかったそうです。
復帰してからは2足のわらじでフリーペーパー「STAND UP!!」を創刊したり、がん患者向けワークショップ「Cue!」を始めるなど、がん患者の方の希望を作り出していきます。
そして2016年には夢であった「マギーズ東京」を、訪問看護師であった秋山正子さんと共同で設立したのです。
がんが発覚した時には考えられないようなことが、現在では実現しているのです。
本人の性格である行動力やこれまで培ってきた人脈、なにより友人や家族などまわりの助けが夢を現実にしたのだと感じました。
著者が伝えたいこと
著者がこの本を読んだ人に伝えたかったのは、
「がんになったことはつらかったけど、不幸ではない」
ということでした。
現在、日本では「がんになるとかわいそうだ」という風潮があります。
この最近、がんが身近になり「治る病気」として認識されてき始めたので、かわいそうだという風潮は薄れてきていますが、まだまだ社会的な視線は「かわいそう」という意見が多いです。
番組でも「番組出演をするときにはモザイクで顔を隠したり、声を変えて出演する」という配慮があります。
しかし著者自身には「存在を隠されているみたい」と表現されています。
がん患者さん自身も、「顔や声は隠してください」と要望することが多いようで、患者側や世間の認識はまだ受け入れられていないのだということです。
乳房を切除したために変化したボディイメージや手術で残った傷、これは著者からすると「生き抜いてきた証」と表現されています。
抗がん剤をしても耐えられずに辞める選択をすれば、がんが進行してくる。
手術をしなければ、他に転移をしてしまい、根治ができずにがんが進行してくる。
何もしなければがんが進行してきて命を落とす。
さまざまな辛い経験を潜り抜けてきた証が胸の傷なのです。
隠したい傷ではあるが、がんばる原動力に変えている姿が印象的でした。
前向きになることの大切さ
「がんになったからこそ前向きでなければならない」というわけではありません。
受け入れるまでには時間がかかる人もいます。
がんになったことで、まさか自分がという絶望感があるのは当たり前です。
そのようなときには周りを頼りましょう。
「副作用は治療が終われば治まるけど、がんの再発や苦しみからは一生逃れられない気がして辛かった」と著者は書いています。
しかし、「がんになったからこそ出会えた人や叶った夢もある」と最後にはがんを受け入れています。
著書の中で何度も出てくる友人や家族、恋人などさまざまな人が著者を支えたからこそ、前向きになれ、目標ができたのです。
友達も家族もいない、会社も受け入れてくれないなど辛い経験をしている方は、ぜひマギーズ東京のホームページを覗いてみてください。
認定NPO法人マギーズ東京HPはこちら
前向きになると、人生に彩が出てきます。
筆者の私自身も難病を抱えていますが、前向きに考えるようになってからは人生楽しく、夢に向かって頑張れています。
支援する方もうつむいている患者さんを見るのは辛いと思います。
励ますことも大切ですが、患者さんと横一列で歩くことも大切です。
本人が休みたいときは一緒に休み、一歩踏み出すのが怖い時には待ってみましょう。
また支援する方にも支援は必要です。
自分を犠牲にすることはやめてください。
患者さん、支援する方ともに前を向けるように祈ってます。
【緩和ケアに興味がある人必見!】がんになっても前向きになれる本を紹介!;まとめ
今回は、「もしすべてのことに意味があるなら がんがわたしに教えてくれたこと [ 鈴木 美穂 ]
」という本を紹介しました。

この本は読んだ人に元気と活力をくれる一冊です。
がんになることは辛く、絶望感を感じます。
辛い抗がん剤や体に傷がつく手術、活動を制限される治療ばかりです。
しかしそれを乗り越えなければ待っているのは死です。
そんな恐怖と辛さに耐えながら乗り越えなければならないのです。
そんなときに周りの存在は、かけがえのない薬になることも書いてあります。
- がんになったからこそ気づいたこと
- がんになったからこそできたこと
- 「がんになったからって不幸なのではない」
と著者も語っており、前を向く一歩をくれる一冊になっています。
個人的な感想も多い内容になりましたが、
- 緩和ケアに興味がある方
- がん患者さんと関わること方
- これから看護師や介護職などを目指される方
にはぜひ読んでほしい一冊になっています!