大切な人の最後が近くなってきた。看取りケアの流れと実際を紹介します!
大切な人の最後はできるだけ穏やかにと思う方が多いのではないでしょうか。
しかしいざ、ゴールを目前にすると動揺してしまい、善意から「何かしてあげなければ」と救急車を呼んでしまう方もいらっしゃいます。
今回は動揺しないよう、本人もご家族も穏やかに最後を迎えるために、看取りケアの流れを抑えておきましょう。
最後まで読んで頂ければ、看取りケアをする中で焦らず準備ができるようになって穏やかに最後まで一緒に過ごすことができます。
では見ていきましょう。
看取りって?
そもそも看取りケアって何なのかを説明しておきます。
一般的には呼吸がおかしくなったり心臓が止まると心肺蘇生をおこなって救急隊を待ちますよね。
しかし高齢であったり、医療を導入しても改善されることがなく辛い体験をさせてしまうことが目に見えている場合があります。
そのような場合、辛いことはさけ、自然に綺麗なままでゴールを迎えてもらおうという考えです。
詳しい説明はこちらも参考にしてみて下さい。
ゴールの前兆はここを見る!
最後を迎えるために、体はいろんな準備を進めていきます。
だんだん目を閉じている時間が長くなり、動く機会もすくなくなるため食事量も減ってきます。
食事量、運動量が落ちると筋肉が減ってきて体重も減少してきます。
手足が冷たくなって、指先や足の裏からチアノーゼ(血色が悪く、紫色になる減少)が出てきます。
呼吸は不規則になったり、肩やあごが動く呼吸に変わってきます。
ゴールを迎える数日前から数時間前になると尿量が少なくなって、出なくなります。
この他にも、手足をばたばたさせたり、つじつまの合わない話しをするなども見られていきます。
もちろんすべての方が同じように経過をたどるわけではありません。
中には「おやすみ」と言って布団に入ったら次の日の朝には息を引き取っていたということもあります。
医療を入れると逆に辛い
ゆっくりと体の準備を始めていることが多く、その経過を見ることでスムーズに準備が整うようケアしていくことが大切です。
ここで点滴をしたり、酸素を吸入してしまうと、エンドルフィンという快楽ホルモンが出なくなってしまい、体がさらに辛くなるという研究結果も出ています。
いろいろな変化が出てきますが、自然の流れだと理解して見守りましょう。
一番の安らぎは家族の声
聴覚は最後まで残るとも言われています。
近くで声をかけて、小さい頃の話や思い出などを話しかけてみてください。
何も表面的には変わらないかもしれませんが、すべて聞いています。
どれだけ優秀な看護師でも、有名な名医でもこの役割を変わることはできません。
家族ができる最善で最強のケアです。
準備しておくことは?
体の準備は本人に任せて、ご家族は身の回りの準備を進めていきましょう。
まずは本人がリビング・ウィル(生前遺書)を残していないか確認してください。
残しているのであれば中を確認して、その通りにしていきます。
何も書かれていない場合にはご家族が本人の代弁者として、意思決定を左右します。
親族でしっかりと話し合う機会を持ちましょう。
また本人の友人などにも状態を知らせて、息があるうちに声をかけに来てもらえるよう連絡してみましょう。
※病院や施設ではコロナウイルスやインフルエンザなどの影響で面会が出来ない場合もあります。自宅の場合でも感染対策を行って面会するようにしましょう。
息を引き取った後は死亡診断書を医師に記入してもらう必要があります。
死亡時にどこへ連絡するのかなどをあらかじめ決めておきましょう。
往診してくれる主治医であれば、息を引き取った場合は来てもらうように話し合っておきます。
もしも往診してもらえない場合には、往診してもらえる医師に主治医を変更しておくことをおすすめします。
主治医が往診できず自宅で亡くなった場合、検死の必要があり警察が介入しなければならなくなります。
※検死は死亡時の状態が事件性がないかを確認する作業になります。
死体解剖と混同する方がいますが、事件性がないと確認されれば解剖は行われません。
しておくといいことををまとめると、
リビング・ウィルの確認する
親族間での意思確認を統一しておく
会わせたい方がいる場合には連絡をする
主治医は往診できる医師にしておく
ということを準備しておきましょう。
では息を引き取ったあとにしなければいけない流れを説明しておきます。
息を引き取った(止まった)ことと時間を確認する
往診医(または訪問看護師や施設の看護師)へ連絡する
看護師が到着したら死の3兆候(瞳孔不同、呼吸停止、心拍停止)を確認する
医師が到着した場合には死亡診断をしてもらう
医師にて死亡診断書を作成する
ステルベン(エンゼルケア、死後処置)を行う
最後に着てもらいたい服やお気に入りだったもの、大切にしていたものなどを準備する
落ち着いたら葬儀外業者に連絡する
葬儀業者が着たら引き渡す
という形になります。
ステルベンには必ず入らないといけないわけではありません。
しかし最後にしてあげることのできるお世話なので是非、入ってあげてほしいと思います。
ステルベンについてはこちらの記事を参考にされてください。
大切な人の最後が近くなってきた。看取りケアの流れと実際を紹介します!:まとめ
看取りケアは見ているだけで、何もしてあげられないと感じるかもしれません。
しかし本人の立場からすると、点滴や酸素投与は辛さを増すとも言われています。
命が枯れていくのを見るのは悲しく、寂しいものですが本人も頑張って旅立ちの準備をしているのです。
きちんと旅立つことが出来るように、準備を邪魔せず、一緒にゴールまでゆっくり歩く気持ちでケアをしましょう。
ゴールの前兆は、チアノーゼ(血色が悪くなること)や肩や顎が動く呼吸が出てきた、尿量が減少または無くなったなどで予測することが出来ます。
このような状況が見られたら、会わせたい方へ連絡を取ってみましょう。
聴覚は最後まで残ると言われています。
返答はないかもしれませんが、昔のことなどいっぱい話しかけてください。
もしも本人がリビング・ウィル(生前遺書)などを準備している場合には、その内容に添ってケアをします。
本人の意思がその遺書に含まれているので、大切に保管しておいて下さい。
息を引き取った場合の流れ
- 息を引き取った(止まった)ことと時間を確認する
- 往診医(または訪問看護師や施設の看護師)へ連絡する
- 看護師が到着したら死の3兆候(瞳孔不同、呼吸停止、心拍停止)を確認する
- 医師が到着した場合には死亡診断をしてもらう
- 医師にて死亡診断書を作成する
- ステルベン(エンゼルケア、死後処置)を行う
- 最後に着てもらいたい服やお気に入りだったもの、大切にしていたものなどを準備する
- 落ち着いたら葬儀外業者に連絡する
- 葬儀業者が着たら引き渡す
という流れになっています。
流れをしっておけば、もしもの時に焦らずに済みます。
いかがでしたでしょうか?
看取りケアに力を入れている施設や病院も出てきました。
緩和ケアや終末期ケア、ホスピスケアなどいろんな種類のケアがあります。
それぞれの違いはこの記事を見てみて下さい。
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