今までの経験を活かせるのは訪問看護!分野別に見た経験の活かし方を紹介!
- 訪問看護って看護技術が落ちないかな…
- 今までの経験が無駄にならないかな…
確かに最新の医療がどんどん入ってくる業界ではありません。
では本当に身につけた看護技術や知識が落ちていくのでしょうか。
訪問看護では現場での判断スキルが必要とされる場面が随所にあります。
今回は訪問看護師になって今までの経験がどう活かされているのか分野別で解説していきます。
これから訪問看護に携わりたいと思っている方や、将来は訪問看護をしたいと思っているがどんな経験が必要なのか、経験がどう活かされていくのか理解できます。
ぜひ最後まで一読ください。
訪問看護では看護力は低下しない
結論から申しますと、看護力は低下するどころか向上すると実感しています。
冒頭でも説明しましたが訪問看護には最新の医療技術や医療機器が導入されることは滅多にありません。
そのため自分から情報を取りに行く(研修に行く)必要があります。
また主には日常生活での健康管理が主になるので、採血や点滴などの医療行為技術を実施する回数は減ってきます。
最新情報が入ってこずに医療行為もさほどないのに、なぜ看護力が向上するのか。
それは物品が何もない状態だからです。
すぐにエコーやレントゲンを取れるわけでもありませんし、ドレッシング材もすぐに準備できるわけでもありません。
訪問看護師がすぐに使えるものはフィジカルアセスメントと知恵しかありません。
フィジカルアセスメントをないがしろにすると病気が悪化するまで気が付かなかったり、間違った判断をする場合もあります。
すぐに検査ができないぶん、自身の五感を使って状態を把握するしかないのです。
フィジカルアセスメントをしっかり行い、医師へ情報提供をすることで早期発見・早期治療につなげることができます。
また物品が少ないので知識よりも知恵を活かさないといけません。
ガーゼやドレッシング剤などの処置剤常にあることもないですし、衛生物品はありません。
家庭にあるものを使って自作したり、100均などで揃えられるものを工夫して使うことが多くあります。
在宅で生活を続けることができるという目標をかなえられるかどうかは訪問看護師次第でもあります。
分野別での活かせる経験
では訪問看護師として過去の経験がどのように活きてくるのか、分野別に見ていきましょう。
また今後、訪問看護師になりたいと思っている方で経験を積むためにどこに行けばよいか参考にしてみてください。
内科系
〇〇内科など名称がついているものを内科系にまとめました。
内科では薬物療法や食事療法、自己注射などの治療がさかんに行われます。
実際に自宅でも内服薬は飲みますし、食事療法が必要な方や自己注射が必要な人などもたくさんいます。
そのような治療の指導が必要な方の訪問に行くときに経験が活かされます。
副作用や用法に詳しかったり、内服が苦手な方、薬の管理が苦手な方、食事療法が上手くいかない方などの相談・助言に経験が活きてきます。
外科系
外科には整形外科や〇〇外科なども含みます。
外科の特徴は、目に見える傷などを治療していきます。
在宅でも表皮剝離(ハクリ)を頻繁にする方や変形性膝関節症の術後何年という経過の方などたくさんいます。
傷によっても処置の仕方が違ったり、包帯の巻き方が次の訪問までずれずに巻けたりと創傷管理で技術が光ります。
救急・集中ケア
意外と救急や集中ケアから在宅看護に目覚める方が多いのをご存じでしょうか。
在宅とは真逆の世界のように感じますが、実は直結しているんです。
在宅で何かしら事故があり、救急へ運ばれて来ます。
命を取り留めて集中ケアで回復し、その後にまた自宅で暮らせるようになるのは達成感があるでしょう。
しかし在宅で事故がないように予防できれば救急へ運ばれて、辛い思いをせずに済むのにと考えて、在宅看護へ進む方もいらっしゃいます。
急変時の対応やいろんな病態を見てきているためアセスメント能力が高くなり、在宅でも推理力を働かせることができます。
小児科
訪問看護は高齢者だけでなく、障がい者児の方宅へも訪問します。
病院へ入院してくる方は成人や高齢者のため、小児科の症例を扱うことはほとんどありません。
そのため訪問看護で小児科経験者はとても貴重な人材なのです。
最近では小児科専門の訪問看護もできてきています。
子どもの身体のケアはもちろん、成長発達に合わせたケアをしていく必要がありますので、小児の訪問看護では力を発揮することができるでしょう。
精神科
訪問看護の中でも精神科訪問看護は別項目になっています。
精神科はさまざまな症状があり、長期的に関わっていく必要があります。
そのため精神科訪問看護を行うためには経験や研修を受講する必要があります。
ステーションに精神科勤務の経験がある方がいると、事業所からは重宝されますよ。
在宅での精神科看護は特に難しいですが、時間の経過とともに心を開いてもらえるようになったりするととてもうれしく、達成感が味わえます。
精神科訪問看護ステーションでなくても、器質的に精神科疾患のような症状が現れることもありますので、精神科看護を経験していても無駄にはなりません。
介護施設系
特別養護老人ホームやグループホームなどの介護施設を経験して訪問看護師になると、介護保険の内容や治療優先ではなく生活の支援ということを理解することができます。
また介護施設は主に介護職員さんが職務を担っています。
看護師同士で話すとわかる内容が介護職員さんに話すと理解ができません。
相手に伝える力や医療職者以外に説明する力をつけることできます。
介護職員さんでもわからなければ、ご家族はもっとわかりにくいことでしょう。
看護教員
看護系大学や専門学校で看護教員をしていた方は、基本的な知識は問題なく入っているでしょう。
また教えるということは他の看護師よりも経験豊富でしょうから職員への研修や新人職員への指導などで経験が役にたってきます。
訪問看護でも自己導尿の仕方やインスリンの自己注射の方法を指導したり、家族へ疾患の説明をしたりと伝えるということが多くあります。
わかりやすく伝えるという技術は教員経験を活かして強みにできるでしょう。
行政
市役所や保健センターなどで勤務していた方が訪問看護師として活躍することもあります。
行政の窓口には市民の方々が毎日のように訪れて、相談事や手続きをします。
訪問看護で自宅に行った際に受給者証の申請やタクシーチケットの申請など、知らないと損をする制度が多々あります。
もしも申請していないがために経済的にひっ迫していたり、必要な申請ができていなかったりすることも少なくありません。
訪問看護師として本人や家族の生活を直視することで、わかりにくい制度や申請を手助けできる可能性が大いにあります。
経験を活かせるのは訪問看護!分野別に見た経験の活かし方を紹介!;まとめ
訪問看護師になると、医療技術が落ちるのではないかと心配になる方が多くいらっしゃいます。
これは誤解です。
反対に看護力は向上していき、訪問看護から病棟看護師に戻った時でも問題ありません。
アセスメント能力は向上しますし、少ない物品の中で看護をしていく必要があります。
知識だけでなく知恵もつきますので看護の応用力も増します。
各分野で活躍していた方であれば、その経験も活かすことができます。
内科系
薬物療法や食事療法などの指導力が活きてきます。
外科系
褥瘡や表皮剝離(はくり)など創傷処置管理の面で経験が活きてきます。
救急・集中ケア
急変時や症例の多さでのアセスメント能力が光ります。
小児科
成人・老年看護を得意とする方が多い訪問看護にとって貴重な存在です。
精神科
訪問看護でも精神科訪問看護という分野に分けられるほどなので、対応時には重宝されます。
介護施設系
生活を支える看護のマインドが身に付きますので訪問看護でも臨機応変に行動ができます。
看護教員
伝える・教えるという力を存分に発揮する機会はあります。
行政
わかりにくい制度や申請で利用者や家族を助けることができます。
いろんな分野で活躍してきた看護師が集まった訪問看護をチームで行うと、ものすごい力を発揮することができます。
そのためこれまでの経験が無駄になることはなく、訪問看護でも使えますし、養っていくこともできます。
そして訪問看護が合わなかったなと思えば、また戻ることもできます。
戻った時には必ず訪問看護の経験が病棟での知恵になりますので、訪問看護の経験も無駄にはなりません。
訪問看護に興味がある方はぜひ一度、情報だけでも見てみてください。
訪問看護については下記の関連記事でも紹介しています。
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