介護報酬と診療報酬って?新人訪問看護師さんが聞かれて困るお金の違い!
訪問看護では介護報酬や診療報酬というものが収入になっています。
介護報酬や診療報酬って「特定療養費」「特別管理加算Ⅱ」など数字がいっぱいで見るのも嫌になりませんか?
そんな介護報酬や診療報酬の仕組みを今回はわかりやすく説明します!
基本的なしくみのところを必要最低限に納めますので、数字が苦手な方でも嫌にならず読めます。
とりあえず新人さんが覚えておかなければならない「介護報酬」と「診療報酬」とはなにかが理解できますので最後まで一読ください。
訪問看護の収入源が「〇〇報酬」
はじめにも少し触れましたが、訪問看護の収入は
- 介護報酬
- 診療報酬
- 自費
の3つに分けられます。
介護報酬や診療報酬は国が決めた、訪問看護の「値段」という理解で大丈夫です!
この値段は一律に決められていて、「何を行うのか」によって値段が変わってきます。
その中には基本サービス費に加えて、加算・減算というものがあります。
基本サービス費は訪問看護を利用するときにかかる最低限の値段になります。
携帯の月々かかる利用料金と同じようなものです。
〇〇加算というのは、不公平をなくすためにつけられます。
たとえば「緊急時対応加算」というものは、

「何かあればすぐに駆けつけたり電話での相談も24時間行いますよ!」
というオプションのようなものです。
24時間の連絡がとれて、何かあったら駆けつけるようにしているのに、

「日中のケアプランにある時間しか訪問できませんよ。」
としている事業所と同じ値段だと、24時間対応してくれている事業所は損ですよね。
そうなると日中だけの事業所になってしまい、本当に大事なときに訪問看護が機能しません。
それを防ぐために

オプションつけるなら、プラスで値段アップしてもいいですよ!
というのが加算になります。
それではそれぞれの報酬について一つずつ見ていきましょう。
※自費については全額負担(10割負担)になるものです。
ものすごい金額になりますので、自費のサービスが出るときには担当のケアマネージャーさんとよく相談することをオススメします。
介護報酬って?
看護なのに介護?と思われた方いらっしゃいませんか?
私は初めて聞いたときに「え?看護って医療じゃないの?」と思いました。
訪問看護は基本的に「介護保険制度」の中で運用されているサービスになります。
介護保険を利用して訪問看護を行うので、「介護報酬」という名前になっています。
訪問看護を利用する場合の手順は
- ケアマネージャーや病院から訪問看護の依頼
- 受け入れ可能であれば情報を提供してもらう
- 利用者と面談し、契約する
- 主治医を確認し、訪問看護指示書を依頼
- ケアプランを確認して、訪問看護計画書を作成する
- 訪問看護指示書を確認して訪問を開始する
- 翌月10日までに国保連(国民健康保険団体連合会)へ請求をする
- 事業所で決められた方法によって利用者から1割(収入によっては2割)を請求する
という流れになります。
少しごちゃごちゃしてわかりにくいですが、事業所がもらう金額は
9割⇒国保連(保険者)
1割⇒利用者 ※利用者によって1~3割負担の場合がある
と覚えておけば大丈夫です。
診療報酬って?
続いて診療報酬を見ていきましょう。
診療報酬は「医療保険で訪問看護を行った場合」に発生する報酬になります。
介護保険での訪問看護は普段の場合でしたよね。
ではどのような場合に介護保険から医療保険に変わるのでしょうか。
医療保険で訪問看護を行う場合の条件は、
- 65歳以上の方
- 16特定疾病の対象ではない方
- 40歳未満でも医師が必要性を認めた方
- 状態が急激に悪化した(急性憎悪)
- 終末期
- 気管カニューレや真皮を超える褥瘡がある
などがあります。
医療保険で訪問看護を行う場合には、特別訪問看護指示書が必要になります。
月に2回まで交付が可能で、1回につき14日以内となっています。
介護保険とは制度が違うため、請求先が違います。
医療保険の場合は国保連ではなく「社会保険診療報酬支払基金」という場所になります。
流れは介護保険と同じですが、細かい要所が違ってきます。
名称も介護報酬では基本料金のことを「基本サービス費」としていました。
診療報酬では「訪問看護基本療養費」と少し難しい名前になってます。
また医療の提供になるため、介護保険を利用する場合よりも診療報酬は高くなっています。
要件を満たしているのであれば、きちんと医療保険で請求するようにしましょう。
介護報酬や診療報酬の細かい内容については厚生労働省の介護報酬一覧を見てみてください
数字が苦手な方は無理して覚える必要はありません。
- なんの加算を自分の事業所はとっているんだろう
- 月にどのぐらいの支払いになっているんだろう
などは大まかに覚えておくとよいでしょう!
介護報酬と診療報酬って?新人訪問看護師さんが聞かれて困るお金の違い!;まとめ
今回は介護報酬と診療報酬をざっと説明してみました。
実際にはものすごく複雑ですが、初めからすべて覚えるのはムリがあります。
まずは報酬の門をたたく程度で大丈夫ですので、今回の内容をしっかり覚えておきましょう。
〇〇報酬は国が定めた「値段」のことです。
介護報酬は介護保険を利用して訪問看護をする場合の値段。
診療報酬は医療保険を利用して訪問看護をする場合の値段。
加算とは「オプションにかかる値段」で、

不公平をなくしてもっといいサービスを提供してくださいね
というものになります。
せっかく頑張っていろんなサービスをしているのに、何もしていないステーションと同じではやる気がなくなりますよね。
介護も医療も、利用者の負担は1~3割(収入による)の支払いをもらいます。
あとは国保連や支払基金という、保険料を集めて分配する機関からもらうことになっています。
また診療報酬は医療を提供する場合にもらえるので、その分値段が上がっています。
大切な収益なので、間違えて介護で請求しないようにしましょう。
ネットで調べても介護報酬や診療報酬は難しいことが書いてあるぺージが多いですよね。
今回、とても見やすい書籍がありましたのでご紹介します。
この書籍は訪問看護のお金に関する書籍だと群を抜いて読みやすかったです!
見開いたときに左に説明、右にかわいい図解という構成になっているので、本が苦手な人にもオススメです!
さっと開いてさっと調べられるのがいいですね♪
介護報酬や診療報酬は難しく思われがちですが、きちんと理解していきましょう!